なぜドイツは迷ったのか。
「いまのウクライナ情勢をみていると第2次世界大戦中の独ソ戦をほうふつさせる」。
それがドイツ政界関係者の偽らざる心境だ。キーウ(キエフ)、ハルキウ、ドニエプル川、アゾフ海。
戦場の地名は第2次世界大戦中のものと重なり、戦車を駆使した「20世紀型戦争」というのも当時に似る。

ドイツにとっては後悔ばかりが残る戦闘だ。当時の最新鋭戦車を相次ぎ投入したものの、
物量で勝るソ連に圧倒され、敗走を重ねたからではない。多くの住民や捕虜を虐殺し、占領地を経済的に
収奪したことはドイツ史の汚点として刻まれる。

「正直言ってレオパルト2とロシア製戦車の戦闘はみたくない」とドイツ与党幹部は取材に語った。