今では日本人の3割が60歳を超えている。
そのため日本は、小国モナコに次いで、世界で最も高齢化の進む国だ。

生まれる子供の数は減り続けている。
2050年までに人口は現状から2割は減っているかもしれない。

それでもなお、移民受け入れへの強い拒否感は揺らいでいない。
日本の人口のうち、外国で生まれた人はわずか約3%だ。
イギリスの場合は15%だ。
ヨーロッパやアメリカの右翼運動は、日本こそが純血主義と社会的調和の輝かしいお手本だとたたえる。

しかし、そうした称賛をよそに、日本は実はそれほど人種的に一様ではない。
北海道にはアイヌがいて、南には沖縄の人たちがいる。
朝鮮半島にルーツを持つ人たちは約50万人。
中国系は100万人近くいる。
そして、両親の片方が外国人だという日本の子供たちもいる。私の子供3人もここに含まれる。

2つの文化にルーツを持つこうした子供は「ハーフ」、つまり「半分」と呼ばれる。
侮辱的な表現だが、この国では普通に使われる。
有名人や有名スポーツ選手にもいる。たとえば、テニス界のスター、大坂なおみ選手もその1人だ。

大衆文化では、「ハーフはきれいで才能がある」とちやほやされることもあるが、
ちやほやされるのと、受け入れられるのは、まったく別のことだ。

出生率が低下しているのに移民受け入れを拒否する国がどうなるか知りたいなら、まずは日本を見てみるといい。

実質賃金はもう30年間、上がっていない。
韓国や台湾の人たちの収入はすでに日本に追いつき、追い越している。

それでも、日本は変わりそうにない。
原因の一部は、権力のレバーを誰が握るのか決める、硬直化した仕組みにある。