https://www.tokyo-np.co.jp/article/243227
「航空機の開発経験がなくて困っている。リタイアした技術者でよいので来てほしい」

開発の中心を担っていた名航出身の40~50代の日本人技術者たちは、川井の目には「素人集団」に映った。それなのに、誰ひとりとして「先生」の助言に耳を傾けなかった。「根拠のない自信がまん延していた。『ピノキオ』になっていた」と川井は語る。

 「どうして三菱航空機の技術者は言うことを聞かないんだ」。素直に教えを受け入れない現場を前に、元ボーイングの技術者らは、あきれて日本を後にした。(敬称略)