https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000302320.html

どちらの言い分が正しいか、現時点で判断するだけの材料はありません。
ただ、CNNは「爆発は水力発電所の内部で起きている」と報じています。
事実であれば、発電所を支配下に置くロシアの犯行、という可能性が高まります。

(Q.どちらが何の目的でダムを破壊したとみていますか)

兵頭慎治さん:「現時点で断定はできませんが、今回のダム破壊がどちらにメリットがあるかというと、ロシア側だと思います。
ウクライナ軍は今後の反転攻勢で、ドニプロ川をわたって南下することが予想されます。
カホフカ水力発電所には大きな道路もありましたが、今回完全に破壊され、使えなくなっています。
下流地域が浸水しているので、ウクライナ軍がドニプロ川を渡ろうとしても、地面がぬかるんでいて、奪還しづらくなっています。
全体的にロシアに利するような状況が生まれつつあります。
ロシアからすると、南部の反転攻勢は、ザポリージャ州が本丸。
ここの守りを固めようとしていますが、ヘルソンから南下がはじまる可能性もあり、両方を手厚く防御するのは難しいです。
今回のダム破壊で、ヘルソンからの動きを弱め、ザポリージャの守りに集中することができるメリットもあると思います」


(Q.ウクライナがダムを破壊するメリットはありますか)

兵頭慎治さん:「原発事故の危険もありますし、多くの住民への被害も出ます。ウクライナにとってのメリットは考えにくいです」

(Q.ロシアの支配地域する地域にも被害が出ています。仮にロシアが破壊したとすると、なぜこのような行動に出たのでしょうか)

兵頭慎治さん:「今回の破壊は、どうやら上部の道路周辺を破壊しているようです。
下流のロシアが支配する地域への影響や、ザポリージャ原発の冷却水の問題への影響が限定的になるように破壊しているような感じもします。
ある程度、ロシア側にも被害が出ることを織り込んだうえで、ウクライナ軍の反転攻勢の動きを阻止することを優先しているのではないでしょうか。
逆に言うと、ロシアはそれだけ追い込まれているという見方もできます」