羽根沢台遺跡の古墳時代個体のゲノム解析は↓で詳細が読めます。
古代ゲノム分析による関東古墳時代人の親族関係と遺伝的構造の解明 (KAKENHI-PROJECT-16K18631)
https://kaken.nii.ac.jp/ja/file/KAKENHI-PROJECT-16K18631/16K18631seika.pdf

核ゲノムのsnpでは、同遺跡の古墳人は、縄文系ではない典型的な弥生人や現代人の範疇に収まる
プロットが得られています。
ですので、おそらく弥生人の直接的な子孫でしょうね。
赤が羽根沢台個体、ピンクが弥生人、左上の端っこのほうが縄文人、緑の横線が現代の東京人のプロットです。
https://i.imgur.com/eYYxbDK.png

もう一枚、縄文〜弥生時代の日本人のプロットの多いsnpマップを貼っておきます。
https://i.imgur.com/3v4aDQJ.png
従来渡来系と言われていた弥生人に関しては、最近のゲノム解析の成果で、
縄文人とアジア系との混血でモデル化できることが判っており、
明らかに、大陸系や半島系と言えるような遺伝的特徴を持った弥生時代個体はまだ発見されていません。
ですので、大陸系或いは半島系の移民は縄文時代末期から弥生時代の早期にかけて、
早々に縄文人と混血し、そういった人々が広まって弥生人の主流になったと考えるのが妥当だと思います。
なので、混血系というのが実際のところで、渡来系弥生人という名称は現在はあまり、
彼らの実態を表した呼称とは言えなくなっているかと思いますね。

mtDNAのハログループD4系や、YDNAのハログループO系やC系といった遺伝子も、
渡来系の遺伝子とは言われていますが、大陸や半島からの移民が持ち込んだものでは
おそらくあるのでしょうが、典型的な弥生人が早々に獲得していたものであり、
それらを持っている人が、大陸系や半島系や最近移住した人ということを、
直接的に意味しているわけではありません。
https://i.imgur.com/jJ941QZ.png