現状、日米の空軍力は中国に勝るとされる。
だが、いかに最新鋭の戦闘機とて飛べなければ無力だ。

台湾軍は駐機中の戦闘機への攻撃を見越して、
格納庫の強化や地下壕への格納を行っているが、
自衛隊・米軍にはそうした備えが乏しい。

カンシアン氏の共同研究者である、
マサチューセッツ工科大学国際研究センター主席研究員のエリック・へギンボサム氏もこう指摘する。

「我々のシミュレーションでは、ほとんどのシナリオにおいて、
中国側は初手もしくは2手目で在日米軍基地へのミサイル攻撃を決断しました。

米軍が台湾を支援する際、
頼りにできるのは日本国内の基地だけだということ、
これが最大の問題なのです。

日米側が戦闘機を置いておける基地は沖縄など数ヵ所しかありませんが、
中国は国内各地に戦闘機を分散させられる。

もちろん米軍は空母を出撃させますが、
現代の戦争では対艦ミサイルや戦闘機の大きなマトになるだけでしょう」