「航空作戦理論」てのは案外、定式化されてないのか。
航空機運用の技術的な要素はあるのですが、「航空戦の本質」に迫るような議論に乏しく、時々の技術的な動向に左右されフラフラしてるように思う。
だから「作戦様相をふまえどんな機体を作るべきか?」という問に対し「自滅的な答え」を出すこともある。

黎明期は「より高く」「より早く」で常に技術的な優勢を追求したのですが、それはもうサチった。
そして後ろを追いかけてきたロケット(ミサイル)技術に抜かれました。

それで今度は「ステルス」の領域へ。
F-22のスーパークルーズモード。超高高度をマッハで巡航し、ベクターノズルで大気圏ギリギリを敵に発見されずに自由自在に機動し一方的に打撃する!
これはドゥーエ以来の夢だ。
まさにエアードミナント(支配)ファイター!

だけど、それはもう「航空機ではなくロケットでした」というオチかと。
航空機→宇宙関連となると、さらにお値段倍、さらに倍ですが、F-16の6倍以上のコスト(控えめに見て)になってますね。
それで200機で生産終了。
教育所要を引いて稼働率をかけると作戦期間中に空にあげられるのは日々、90ソーティもいいとこ。
それも「全世界で」です。全世界の空を90ソーティで。

ピエール・スプレイ(ボイドの仲間、ファイターマフィアの生き残り)曰く、
「残酷な航空戦において、F-22のソーティ数は全くの「お笑い草」である。」

エドワード・ルトワック曰く、
「空軍は、優秀な児童から美しい青年に成長したが、そこでグレてしまった。お酒やクスリ(ステルスという呪い)に手を出してしまった。
父親世代よりも鈍足で不恰好で航続距離が短く兵器搭載量の少ない機体(F-35)に子供世代が搭乗する。その理由はステルスだw」

空軍関係者は疑問に思わないのか?
誰も「ロッキードマーチンは裸の王様だ!」とは言わないね。
それでいて、ウクライナの空では何故かステルスファイターは飛ばず、F-16(ゲームチェンジャーwこんな陳腐な機体がw)の話ばかりという面妖さ、奇怪さ。