でも折角、目黒の電気研究部の話が書いてあったので付言すると日本に限らず戦間期には短波通信の為の電離層の調査研究が世界で広く行われた この論文に書かれているマグネトロンも元々は電離層研究の中で技術開発されたもので論文にもその旨の記載がある 平和な時代だったので日米英で分担して各地の電離層を測定調査しており、当時はアメリカ製の電波測定器が世界標準的な位置付けで各国で使用して成果を発表していた
この測定中にイギリスの技術者が飛行場の近くだと雑音が大きく飛行機が飛んでいる時に起きる事に気づいた これがレーダーのアイディアの出発点になる
戦時中にレーダー開発やった松井中佐は戦後になってその事実を知り、目黒の連中に飛行機飛んでると受信信号が散乱される事に気づかなかったのかと問いただした するといつも困って飛行機の飛ばない時間を調べていたと答えられて、海軍軍人なのに軍事的価値に気付けるかどうかがこんなに大事なのかと嘆息したって話がある
この論文の結論にもマグネトロン開発が目的になってレーダー開発のアイディアを産む方向に進まなかったって書かれてるな