ウクライナで防空兵器枯渇 ロシア攻勢に危機感―イスラエルと対照的
時事通信 外信部2024年04月18日07時00分配信


ロシアによる侵攻が長期化するウクライナで、米国製の地上配備型迎撃ミサイル「パトリオット」など防空兵器が枯渇しかけている。空爆から無防備になれば、後方で民間人やエネルギーインフラが被害を受けるだけでなく、前線でロシアの大規模攻勢を許すことになり、ゼレンスキー政権の危機感は強い。

 空爆を分析したドイツ紙記者はXで「ウクライナはパトリオットを使い果たし、他の防空兵器も枯渇するか破壊された」と推定した。窮状は支援国にも伝わり、独国防省は13日、「直ちにパトリオットを追加供与する」と発表した。

 ウクライナがうらやむのは、米英両軍が迎撃に参加した点だ。ゼレンスキー氏は15日、通信アプリ「テレグラム」で、北大西洋条約機構(NATO)加盟国でないイスラエルが防衛されたと指摘。未加盟のウクライナでも「同様のことが可能なはずだ」と支援の強化を呼び掛けた。

 しかし、米英両軍がウクライナを直接防衛することへのハードルは高い。報道によると、キャメロン英外相は15日、ウクライナでもドローンを撃ち落とすことは「NATOとロシア軍の直接衝突につながる」と慎重な立場を示した。

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