https://www.defenseone.com/defense-systems/2025/10/armys-new-tank-will-roll-out-decade-early-heres-how-they-did-it/408837/?oref=d1-homepage-river
1. 背景
米陸軍が最後に新しいエイブラムス戦車(M1シリーズ)を製造したのは約30年前。
当初、新世代モデル(M1E3)は2030年代の配備を想定していた。
しかし2024年、General Dynamics(GD)が契約を獲得した段階で、陸軍は「そんなに待てない」として開発スケジュールを前倒し。

2. 早期実現の要因
■ オープンアーキテクチャ(開放型システム)の採用
戦車内部の通信・センサー・電子装備などを固定仕様ではなく、モジュール式に。
新技術が登場すれば後からソフトウェアやモジュールを差し替え可能にした。
「30〜40年同じ構成で使う」発想をやめ、アップデート前提の設計思想へ転換。

■ 要求仕様の簡素化と柔軟化
従来の米軍装備開発では、最初に「全ての要求」を定義することで長期化・硬直化していた。
M1E3では、「完璧な要求」よりも現場フィードバックを反映できる構造を優先。
軍とメーカーが並行して改良を重ねる「アジャイル開発」的アプローチ。

3. 調達プロセス改革
M10 Booker軽戦車の開発失敗を受け、過剰な要件管理と抗議回避文化を見直し。
陸軍参謀総長ランディ・ジョージは、「数千もの要求項目を再点検し、簡素化を進める」と発言。
現場部隊からのフィードバックを即反映する仕組みを整備。

4. スケジュール
2026年に兵士による初期運用試験を実施予定。
その後、2〜3年以内に実戦部隊配備を開始。
従来なら10年以上かかったプロセスを半分以下に短縮。

5. 技術的方向性(概略)
現行のM1A2より軽量化(燃費・輸送性改善)。
センサー統合や電子戦対応を強化。
一部では自律走行支援やAI搭載の検討も報道されている(ただし確定情報ではない)。