役割の逆転:足踏みするフランスが、新たに主張を強めるベルリンをいかに不意打ちしたか -FT

ドイツのフリードリヒ・メルツ首相は、凍結されたロシアの国家資産2100億ユーロをウクライナ支援に使うようEU首脳を説得しようと最後の努力をしていたが、肝心な同盟者であるエマニュエル・マクロン氏がいないことに気づいた。

ロシアの資産の大半が所在し、当初からこの計画に反対していたベルギーにイタリアを含む多くの国が同調したため、マクロン大統領もこれに同調し、この計画は頓挫した。
「マクロン氏はメルツ氏を裏切った。そして、その代償は必ず伴うことを承知している」と、木曜日の協議を直接知るEUの上級外交官は述べた。「しかし、彼はあまりにも弱腰なので、ジョルジャ・メローニ氏の後ろに屈するしか選択肢がなかったのだ。」

メルツ首相率いるキリスト教民主党が2月の選挙で勝利した後、メルツ首相はフランスとの関係再構築を最優先事項とした。
その政策課題には、信頼できない米国政権を前に欧州防衛力の強化を約束すること、ドイツの原子力反対姿勢を撤回すること、EU規制を大幅に削減することなどが含まれていた。しかしその後、ドイツ首相は、財政的な影響を与えるいかなる政策にもコミットする能力が著しく制限されているレームダック・マクロン大統領と対峙せざるを得なくなった。

「マクロン氏とメルツ氏の役割は完全に逆転している」と、ユーラシア・グループの欧州責任者、ムジタバ・ラフマン氏は述べた。

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