■ジェットエンジンの性能、信頼性が低いJ10シリーズ

 今のところJ10戦闘機を購入した海外の国は、中国が「鉄盟」に挙げるパキスタンが唯一です。計36機を販売することとし、このうち10機ほどを引き渡しました。

 中国の戦闘機が世界の舞台で敬遠されるのには、幾つか理由がありますが、最も大きいのはやはり中国製ジェットエンジン(WS10/渦扇10)の性能と信頼性の問題です。以前より出力は上がりましたが、出力の持続性、燃料効率などの側面で問題があるといいます。

6トンに満たない武装搭載量も問題だといいます。多目的戦闘機であるためには、さまざまな武装を搭載できなければなりませんが、搭載量が少ないと制限を受けることは避けられません。追加の燃料タンクがなく、作戦距離は短いといいます。F15とF16、J10Cに乗ったことのあるパキスタン空軍のパイロットは、ある軍事専門誌への寄稿記事で「レーダーの探知能力も良く、機動性も悪くない方だが、武装の搭載量が少なく、出力が急に落ちる問題がある」として「もっと強いエンジンに交換しないと問題は解決できないだろう」と指摘しました。