しかし、GCAP参画企業の一つであるイタリアのレオナルド社のブースで、興味深い情報を入手することができました。

 それは、筆者(稲葉義泰:軍事ライター)が同社製のジェット練習機である「M-346」について、担当者であるトマッソ・パニ上席副社長(マーケテイングおよび戦略キャンペーン担当)にインタビューしていた時のこと。パニ氏に、「GCAPを運用するための練習機について、御社のお考えを教えてください」と質問したところ、次のような答えが返ってきたのです。

私たちは、GCAP向けの練習機についても当然ながら検討しています。今年の3月末から4月初めにかけてイタリアで開催された『軍用機飛行訓練会議(Military Flight Training conference 2025)』でも、いくつかの空軍から『GCAPと練習機はセットで開発すべきだ』という声が挙がっていました。

 現時点で、GCAP向け練習機がどのような機体になるかはまだ確定していませんが、社内ではいくつかのアイデアやコンセプトを検討しており、それらをこれから設計・開発していく段階です」

「機体構造に関して、我々は革命的な変化が必要になるとは考えていません。一方で、アビオニクスやコックピットに関しては、大きな進化が必要になると考えています。GCAPに参画していることで、そうした技術的知見やノウハウを得ることができました。

 練習機の分野においても、GCAPと同様の方向性を踏襲していくべきと我々は考えています。私たちは、GCAP向け練習機に関して、GCAP本体と同様にイギリスのBAEシステムズや日本の三菱重工業といったパートナー企業と共同で設計・開発されるべきだと考えています」

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