機体構造技術については、一体化・ファスナレス構造、ヒートシールド技術が研究され、「機体構造軽量化技術の研究(2014-2018)」では、従来機比での大幅な軽量化、リベットの使用低減などによるメンテナンス性の向上が研究されたエンジン技術については、双発の「ハイパワー・スリム・エンジン」というコンセプトの下で、XF9が開発された。このコンセプトは、双発で安全性と冗長性を保ちながら、ハイパワーにより高機動を達成しつつ、スリムなエンジンにより機体容積の増加を達成し、兵装、アビオニクス、燃料などをより多く搭載するというものである。XF9のエンジン推力はF22と同等を達成し、今後さらに推力を上げる予定であり、最先端の電子機器の装備に必要な強力な発電能力も有する。また、高運動性、ステルス性向上を目的として全周20度の推力偏向を可能にする新型ノズルに関する研究も進められている(2020年4月現在)。
アビオニクス技術については、航空優勢の獲得に必要な高い運動性を実現するために、飛行制御に「自己修復飛行制御システムの研究」「高運動飛行制御システムの研究」「先進技術実証機(X-2)の研究」が行われ、ポストストールマニューバについての研究が行われた。飛行制御に関しては、電動アクチュエーション技術の研究が行われ、機体の操舵に使われる油圧系統を電動アクチュエーションシステムに置き換えることで、軽量化とメンテナンス性向上の効果を研究した。また「戦闘機等のミッションシステム・ インテグレーションに関する研究(2019-2025)」により大型機テストベッドを使用した試作・検証が進行中である(2019年9月現在)。