プーチンが拒否できないトランプの提案 - RESPONSIBLE STATECRAFT

この新たな戦略の出発点は、ロシアのプーチン大統領が最低限の目標を達成する前に戦争を止めるよう、いかなる圧力も彼を追い込むことはできないという認識でなければならない。むしろ、トランプ大統領が合意に到達する最善の策は、プーチン大統領が自らの政治的目標を達成するには米国の関与が必要であり、米国大統領よりもはるかに和解の詳細を重視しているという事実にある。

トランプ大統領にとって、戦闘が停止する結果であれば何でも構わない。一方、プーチン大統領は細部に非常にこだわり、戦争を有利な条件で終結させるには米国の関与が不可欠だ。ロシアは米国の関与なしに軍事目標を達成することは可能であり、例えばドンバス地方の残りを武力で制裁するといった方法がある。しかし、米国の関与なしには、NATO同盟の東方拡大を断固として拒否することや、ロシア経済に対する制裁解除の約束といった、プーチン大統領の政治的・経済的目標は達成できないままとなるだろう。

トランプ政権はこの不均衡をうまく利用し、プーチン大統領にとって現在最も関心の高い、より大きな政治・経済問題について交渉する用意はあるものの、その意欲は期限付きであり、薄れつつあることをモスクワに示すべきだ。

これらの選択肢に直面したプーチン大統領は、自らが表明した目標、すなわち戦争継続による領土獲得と、ワシントンとの合意によってもたらされる政治的、経済的、そして地位向上との間で妥協を迫られるだろう。

米国にとって、この戦略はメリットが大きく、リスクは低い。具体的な譲歩を強いられる必要がなく、ロシアとの緊張を高めることもない。米国はウクライナへの支援を継続するが、ブリュッセルとキエフに対し、関与の拡大やエスカレートには関心がないというシグナルを送ることになる。

最も重要なのは、米露間のあらゆる二国間政治・経済協定の最終的な履行を、ウクライナ固有の問題の解決を条件とすることで、このアプローチは戦争終結に向けた真の進展を促す可能性があるということだ。.

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