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遺体交換数を根拠として一国の戦死者総数を推定する手法は、主要な分析機関では採用されていない。BBCロシア語版、Mediazona、Meduza、CSISなどの報道機関や軍事研究機関は、遺体交換を補助的情報として扱う一方で、戦死者数の推定には登記簿、公開死亡記録、地域別人口統計、軍動員データ等を組み合わせた統計モデルを用いている。

遺体交換の件数は、部隊の配置状況、地理的条件、回収可能性、人道交渉など多くの外的要因に左右されるため、死者数の多寡そのものを反映するものではない。特に、前線での地理的優位性により一方の遺体が多く回収される場合、それは交換数に現れるが、実際の戦死者総数との相関は限定的である。

遺体交換比率を用いて死者数の優劣を主張する言説は、SNSや匿名掲示板などでは散見されるが、信頼性ある分析機関では確認されていない。統計的精度および分析の妥当性を保つため、交換件数を推計根拠とする手法は不適格とされている。