>>18

「コソボの民族浄化はデマ」って言うけど、国連・OSCE・人権団体の報告では、1998~99年にかけてアルバニア系住民への迫害・強制移住・殺害が多数確認されてる。戦争広告代理店の件は、確かに誇張された事例もあったが、それで民族浄化の全体が「捏造だった」とするのは飛躍。国連安保理は複数回コソボ情勢を議論し、最終的に決議1244で国際管理を定めた。空爆そのものを「追認」したわけじゃなく、事後の秩序回復措置。これを「正戦化」とするのは、慣習法の形成過程を誤解してる。

藤原帰一の指摘は「欧米の人道的介入が国際法の拡張になっている」という警鐘であって、「ロシアの侵攻は正当」なんて言ってない。彼は「法の下の平等」を強調し、「欧米が例外を作れば他国もそれを使う」と警告しただけ。2004年時点でロシアは死に体だったから、具体的な擁護はしてない。「ロシアはマトモ」なんて評価は藤原の文脈には存在しない。

英国難民裁判所の判決は、ウクライナ軍の人権侵害を指摘したが、それは「ジェノサイド」と認定したわけではない。国際法上、ジェノサイドの定義は極めて厳格で、意図的な民族抹殺の証拠が必要。OSCEの停戦違反報告も、戦闘の激化を示すものであって、ロシアの侵攻を正当化する根拠にはならない。国連総会決議で141カ国がロシアの侵略を非難した事実は変わらず、「参政が少ないから無効」って理屈は国際法上通用しない。

「人道的介入が慣習法になった」って主張も、学術的には未確定。国連憲章の明文改正がない以上、武力行使の合法性は依然として自衛か安保理授権に限られる。慣習法の形成には国家実行+法的確信が必要で、米欧の空爆がそれを満たしたかは議論中。ロシアの侵攻は、国際社会の大多数が「違法」と認定しており、前例の援用としては成立しない。