ロシア国防省は東部の複数村（プリヴィラ、ピシュチャネ、ティフなど）を制圧したと発表しているが、独立確認は取れていない。 これらは戦線全体を押し上げたというより、浸透拡大と村落制圧の累计的進展を強調する宣伝的主張と見る分析も多い。

ウクライナ側は、ロシアの大規模な無人機・ミサイル攻撃をエネルギーインフラ網に集中させており、ガス施設・変電所・送電網の被害が相次いでいる。 停電・暖房停止のリスクが冬季を前に急増しており、民間生活が強く圧迫されている。

前線戦闘では、ドブロピリャ近傍でロシア軍の大攻勢がかかったとの報があり、ウクライナ部隊はこれを撃退したと発表している。 ただし、こうした攻撃も突破というよりは前線圧迫や焦点交戦の性格が強く、都市制圧や包囲には至っていない模様。

北東方向、ハルキウ～クピャンスク方面では、住民への避難命令が繰り返され、砲爆撃と無人機攻撃が激化しているとの情報もある。 また、ロシア軍は鉄道・輸送網を狙った精密ドローン攻撃を強化しており、物流撹乱を狙う動きが目立つ。

外交・支援面では、ゼレンスキー大統領が訪米しトランプ米大統領との会談でトマホーク巡航ミサイルの供与要請を行った。 トランプ側からは停戦に向けた呼びかけも出ており、「現状線で戦争を止めよう」という提案も表面化している。 ただし、実際に停戦が成立するかはロシア側の意志次第であり、交渉のテーブルに乗るかどうかは未知数だ。

戦術的には、攻勢よりも「補給線への攻撃」「インフラ破壊」「無人機・ドローンの飽和投入」「砲撃密度の維持」が中心になっている印象だ。前線は大きく動かず、膠着状態が続く。ロシアもウクライナも、いかに相手の耐久力を削るかの消耗戦にシフトしているようだ。