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GCAPには全領域ステルスと超長距離能力が不可欠、英空軍幹部が強調
By Tony Osborne

英空軍で戦力・プログラム部長を務めるJames Beck少将は、日本、イギリス、イタリアが共同開発するグローバル戦闘航空プログラム(GCAP)の中心となる戦闘機について、設計上の必須要件のひとつを明らかにしました。

同氏は、現在は国レベルの面積に留まるA2AD(接近阻止・領域拒否)環境が将来的には大陸を覆うレベルになると指摘し、その中でも真の抑止力を維持するため、侵入から離脱まであらゆる角度からのステルス性を確保する「全領域」低視認性と、長大な航続距離が設計に不可欠であると強調しました。このステルス性能は、妥協が許されない最も困難な要素のひとつとされます。

これらの要求により、機体は従来の戦闘機より少なくとも3分の1以上大型化し、F-111に近いサイズになるとみられています。また同時に、敵空域への侵入リスクに見合う兵装搭載量も必要だとしました。

さらにBeck少将は、GCAPが第5世代機とは一線を画す点として、広範な部隊とリアルタイムで情報を共有する能力を挙げました。F-35はF-35同士でしか情報共有できない点を「利己的」と評し、GCAPはよりオープンな情報ネットワークの中核を担う必要があるとしています。

CCA等の無人機との連携も構想されており、有人機が安全な場所から高リスク空域へ無人機を投入する運用が可能となります。