ハンガリー、チェコ、スロバキアと新たな反ウクライナ連合を計画
https://www.politico.eu/article/hungary-anti-ukraine-bloc-czechia-slovakia-viktor-orban-andrej-babis-robert-fico/
■ 背景
・ 元々、ハンガリー・ポーランド・チェコ・スロバキアの4カ国は「ヴィシェグラード4」として、EUの移民政策やブリュッセル中央集権に対抗してきた。
・ しかし、2022年のロシアの全面侵攻以降:
・ ポーランド:強烈な反ロシア・親ウクライナ路線に転換(Tusk政権でさらに強化)
→ 結果としてV4は分裂。
・ 現在、ポーランドを除いた3カ国で「Visegrad 3」的な再結束を模索している。
■ 政治的意図
・ オルバン政権の狙い:
1. EU首脳会議での議題形成力を強化(事前協議で票をまとめる)
2. ブリュッセルでの反ウクライナ支援・反制裁・保守的連帯の中心になる
3. 国内向けに「孤立していない」とアピール(2026年選挙対策)
・ チェコのバビシュとスロバキアのフィツォはいずれも「ロシアとの対話」や「制裁疲れ」を主張しており、オルバンと方向性が一致。
■ EU内での影響
・ 現時点では「正式な同盟」ではないが、欧州理事会や外相会合などで同一投票行動を取れば、EUのウクライナ支援策や予算承認を遅らせる力を持つ。
・ 特にEUの「対ウクライナ軍事基金」や「復興資金供与」の可決には全会一致が必要なため、3カ国の足並みが揃えば大きな影響を与える。
■ オルバン政権の国内事情
・ 2026年に再選をかけた選挙を控える。
・ 政権支持率はティサ党に逆転されつつあり、EUやブリュッセルを「外敵」として利用する構図を再び作ろうとしている。
■ 評価と展望
・ この構想は、実際の軍事政策よりも政治的シグナルの意味合いが強い。
・ EU資金凍結問題や移民政策への反発を背景に、オルバンは「ハンガリーの孤立ではなく、同調者がいる」と示したい。
・ ただしチェコはまだ政府樹立前であり、フィツォ政権も国内経済問題で揺れているため、短期的に実効ある同盟に発展する可能性は限定的。
・ それでも、EU首脳会議での議題妨害には十分な人数であり、ウクライナ支援継続に対する「制度的ノイズ源」になる可能性が高い。