トマホークよりも:ウクライナが必要としているもの
https://kyivindependent.com/more-than-tomahawks-what-ukraines-military-says-it-actually-needs/
@ 車両不足 — 「1台で全部をやらなければならない」
前線の歩兵中隊(50〜70人規模)でも動く車は2台ほどしかない。「車の寿命は1〜2週間。長くても1か月」。
装甲車はシグネチャが大きいためドローンの標的に。結果、普通のピックアップトラックが最も重宝。
「車が人員輸送に出向いている場合、補給品輸送ができない。逆もまた同じ」

A ドローン不足 — 「9,000機/日使うが足りない」
電子戦・撃墜・地形損失で日々失われる。
前線の多くの部隊は自腹で買うか寄付頼み。
ある空挺旅団の小隊長は「必要数の10分の1しか支給されていない」と証言。
兵士の平均年齢が約40歳に上がっており、ドローンが兵力の代替手段になっている。
現在のロシア側に与えた損害の約85%がドローンによるもの。

B 人員不足 — 「兵器よりも人がいない」
前線の兵士が欠け続け、特に歩兵旅団では戦闘経験者の補充がほとんどない。
動員数は月3万人規模だが、
 ・そのうち1/3しか実戦に適さず
 ・1/2はAWOLからの復帰兵
 という深刻な質的問題。
訓練施設もリソース不足で、模造手榴弾や石を使って訓練している例も。
政治的には「動員の話題はタブー」で、ゼレンスキー政権も支持率低下を恐れて触れない。

西側では「トマホーク等の供与」が注目されがちだが、現場では人・車・通信・補給が崩れた時点で戦術的優位は消える。
戦争の工業的持続能力が鍵。
 → 数千ドルのFPVドローンで数百万ドルの装甲車が破壊される現代戦では、「安く・早く・数を揃える」兵站こそが勝敗を決める。
NATO式の重装備支援は、それを維持・輸送・修理するロジスティクスが追いついていない。
ウクライナが「寄せ集めの支援兵器」で戦える一方で、常に“車1台・ドローン1機”単位で命をつなぐ戦い方にしている原因。

1. 西側支援は「高級兵器から基礎インフラへ」重点転換が必要。具体的にはピックアップ車、発電機、修理設備、通信機材。
2. 動員改革と訓練資源の増強なしには、どんな兵器も維持できない。
3. 兵站の自立化が長期戦の鍵。