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「ロシア軍は金払いも良く、殉職率もウクライナの1/10」という話が出ているが、これについて、ロシア側で戦ったネパール人兵士の体験談が多数報じられている。淡々と整理すると、その実態は全く逆のようだ。
​まず「給料」について。
募集時の条件が魅力的だったのは事実だ。月給約30万円以上、ボーナス、ロシア市民権の早期取得などが提示されていた。
​しかし、脱走兵や捕虜の証言によれば、これらの給与が約束通りに支払われていないケースが多数報告されている。「最初の数ヶ月(訓練中)は振り込まれたが、最前線に送られたら支払いが途絶えた」といった証言が多い。
特に深刻なのが負傷・死亡時の補償金だ。契約書では数万ドル単位の補償が約束されていたにもかかわらず、「負傷しても十分な治療が受けられないどころか、補償金も支払われなかった」「戦死した仲間の家族が、約束された死亡補償金を全く受け取れていない」といった実態が語られている。
さらに、ロシア軍に登録する過程で、非公式な仲介業者に高額な手数料(数千~1万ドル)を支払わされたという証言もあり、高給に惹かれても手元に金が残らないケースもあるようだ。
​次に「殉職率」について。
「殉職率1/10」という主張は、現場の証言とは全く一致しない。
ネパール人兵士の​体験談によれば、訓練はわずか2週間から1ヶ月程度。中には銃の撃ち方もろくに教わらず、アウディーイウカや現在のポクロフスクといった最激戦地に即投入された者もいる。
彼らの多くは正規兵ではなく、元囚人らで構成される「ストームZ」のような突撃部隊に配属されるという。
募集時には「後方支援や警備の仕事」と説明されていたにもかかわらず、実際の任務は「肉弾突撃」だったと多くの者が証言している。これは、ウクライナ軍の火点(機関銃陣地や砲撃位置)を特定させるための、事実上の「人間の盾」「大砲の餌食」だ。
​当然ながら、こうした部隊の死傷率は極めて高い。「生きては帰れない」と恐怖を感じ、目の前で多くの仲間が死傷するのを見て脱走や投降を決意した、という証言が多数を占めている。
​この問題はネパール本国でも大きな社会問題となっており、ネパール政府はロシア政府に対し、公式にネパール国民の募集停止、遺体の返還、兵士の帰国を要求する事態にまで発展している。