トルコはS-400を放棄し、F-35計画に復帰する用意がある
https://www.bloomberg.com/news/articles/2025-12-05/us-envoy-says-russia-hurdle-for-turkish-f-35-quest-to-be-cleared
米国のトム・バラク駐トルコ大使(トランプの盟友)が、トルコがロシア製S-400地対空ミサイルシステムの処分に向けて動いており、4〜6か月以内に解決する見通しと発言した。
トルコは2017〜19年にロシアからS-400を購入し、その結果、NATOの防諜上の懸念(S-400のネットワークがF-35の機密データを収集する恐れ)から、F-35共同開発・購入プログラムから排除。
CAATSA制裁で米国製防衛装備の調達が制限。現在トルコはS-400を「保有したまま未使用」だが、それでも米国は容認していない。
バラク大使によれば、トランプ政権とエルドアン大統領の関係改善(“bromance”)により進展が生まれているという。
S-400処分の他に、交換条件として、ロシア産原油・天然ガスの輸入削減が示唆され、バラク氏は「すでに減少している」と述べた。
トランプは9月の首脳会談で「トルコへのF-35販売を認める可能性」に言及。 F-35は「空の司令塔」とされ、1機1億ドル超の高額装備。 ただし、S-400完全撤去が前提。

トランプの中東和平案では、ガザに国際安定化部隊を投入する予定で、トルコの参加を希望。
トルコはハマスと一定のパイプを持つため、武装解除に役立つとの期待。
しかし、イスラエルとトルコの関係悪化により、ネタニヤフ首相が容認する可能性は低いとバラク氏は悲観視。

バラク氏はイスラエル、シリア情勢についても発言。
イスラエルがヒズボラへの攻撃を増加したことについて、「軍事的にヒズボラを潰すのは不可能」「1人殺せば10人増える」と発言。イスラエルとレバノンは直接対話すべきと主張。
バラク氏は、シリアへの包括的制裁「シーザー法」の撤廃に期待。これにより米企業や湾岸諸国がシリア再建に投資できるようになると説明。

トルコのF-35復帰は現実味を帯び始めた。しかし鍵はただひとつ、S-400の完全処分。
トランプ政権は中東での安定化政策をトルコと結びつけようとしており、その延長線上にF-35問題も位置づけられている。