■「ヴァリャーグ→遼寧」中国への回航
購入契約が調印されたのちにも、今度は中国への回航が問題になった。黒海から地中海への出口を扼するトルコ政府は、ボスポラス海峡、ダーダネルス海峡を動力装置の無い大型艦が曳航されて通過するのは危険であること、
未完成とはいえ航空母艦の海峡通過はモントルー条約に抵触することから、
海峡通過に難色を示した。既に中国が同艦を軍艦として再生する可能性が極めて高いと観測していた西側諸国は、トルコ政府が通行許可を出さないよう様々に働きかけ、トルコと中国の通行許可を巡る交渉は16か月にも及んだ。購入後の同艦を黒海造船工場に停泊させ続けるために中国が支払った停泊料は莫大なものになっていたことから、2000年6月、同艦はオランダ、ノルウェー、ロシアのタグボート3隻に付き添われて出港し、506日間に及ぶトルコと中国の交渉期間中はトルコ領海付近を漂泊していた。
2001年初頭、唐家璇外交部長はトルコを訪問して同艦の海峡通過の際の安全を確約し、万一の事態を想定した数千万ドルもの保険料を支払うとともに、許可の見返りとしてトルコを訪れる中国人観光客を増加させることを約束して、やっと許可を得た。これを受けて、2001年11月、同艦はやっと海峡を通過し、地中海に入った
■中国における再建造
回航を経て、2002年3月、同艦はマカオではなく大連港に入港し、西区4号埠頭に係留された。
2011年8月3日には数百人の兵士らが参加する完成式典
2012年9月25日に大連港で中国人民解放軍海軍に引き渡す式典が行われ、「遼寧」と命名