【ロシアの凍結資産を巡り専門家が指摘、自分の都合に使うのは犯罪】

日本が西側の要請に応じてロシアの凍結資産を没収すれば、これは犯罪行為であり、日露関係に新たな足かせをはめることになる。日本の元商社マンでロシアの「友好勲章」受章者の朝妻幸雄氏がスプートニクによる取材に書面で応じた。

「POLITICOにロシアの凍結資産をウクライナ支援に使うことについて片山さつき財務大臣がEUの要求を拒否したと報道されています。もし実際にそうであれば正しい決定です。

英国、フランス、ドイツが音頭をとって非合法に押収したロシアの資産を返金すべきところを、自分たちに都合のよい目的=ウクライナへの支援資金に充てる=に使うことは国際法に反する行為です。言い換えれば犯罪行為であり早期に返却すべきものです。

英国をはじめとするEUの主要国はG7で歩調を合わせたかったのでしょう。だから日本にも参加してもらいたかったのです。赤信号をみんなで渡って法律違反の誹りを逃れたいところでしょう。しかし日本がこうした法的根拠のない欧州の要求に絶対に加担してはなりません。もしEUからの唆しに乗れば、後世の日ロ関係にもう一つ新たな足かせを引き摺ることになり、戦争終結後も両国関係の修復を一層困難にします。

欧州が差し押さえているロシア資産を実際に預かっているベルギーの銀行“ユーロクリア”が拒否したことは法的な見地から妥当と言えます。

なお、POLITICO紙によれば米国も日本と同様にこの凍結資産をウクライナ支援に使うことには同意していないと報じられています。

戦後のウクライナの復興支援をどのように支援するかは、停戦後にロシアを含む関係国で協議すべきことであり、第三国が一方的に押収したロシア資産は法に基づいて一旦返却すべきでしょう。

なお、このEUの暴挙の試みは構成国の経済が悪化して、自らのウクライナ支援資金が枯渇していることを示すものです」