まさに絶えなんとした生命を(生かしてくれた)、医療もそれ(鬼子母神周辺の自然の美しさに現れているような神仏の力)よ。

鬼子母神様のお寺の周りの自然を愛でるお米の言葉を聞いた辻町は、かつて逗子で過ごした時病に伏した妻の生命を生かしてくれた医療というのもそれ(色とりどりの雲みたく散っている落葉の美しさに現れているような神仏の力=観世音の大慈の利験)だったことを思い出した。あの時は南海霊山の御堂の裏山で咲き満ちる菫に向かって祈ったのだ。あの時のことを今目の前に広がる雲のような落葉に見て、心から黙拝したのである。

鏡花のほかにこういう文を読んだことがないから中途半端な知識で英文を和訳したような心細さがある
本当にこれでいいだろうか