>>341
キーン「日本の作家」中公文庫版195〜199頁より

「『春の雪』は、三島が小説家として身につけてきた熟練を、この上もなく見事に発揮した作品である。」
「『たわやめぶり』と定義したものの、究極的表現であるように思える。」
「日本語の文章としても驚くほど美しい。」
「三島は『奔馬』で、『憂国』以来彼の心を占めてきた主題をとりあげ、最も力強く表現することに成功した。」
「『暁の寺』の、そして多分全作品を通してのクライマックスは、(略)ベナレスでの埋葬場の描写であろう。」
「この作品(天人五衰)に描かれた崩壊してゆく世界のヴィジョンは、『仮面の告白』の語り手、
『鏡子の家』の清一郎の世界に似ている。だがここではそれはもっと深く、もっと豊かである。」

公に発表された文章を信じるか、おつむの足りない人間がきいたと主張する評価を信じるか、ということだな