蓮實以前の映画評って、脚本の優劣とか社会的テーマが映画に盛り込まれてるかが一番の評価の軸になってた気がする
事実、溝口健二より明らかに資質が劣るであろう今井正の評価のほうが当時の批評家の間では高かったわけで蓮實的なスクリーンに映っているもの自体をきちんと観る、という事が大事なんだと言っていった批評が出てきたのは新鮮だった

当時の批評家の大勢は東映や大映のプログラムピクチャーの監督なんかはほとんど批評の対象にさえしない野蛮な時代があったわけだし