あたしの名前は夏目マリン15歳。都内の私立高校に通う女の子。え、彼氏はいるかって? もう、なにその質問。そんなのいるわけないでしょ!
だってあたしはどこにでもいる平凡な女の子。なんの取り柄もないし、可愛くもない。こんなあたしに恋人なんてできるわけないよ。
って、え、靴箱に手紙が入ってる。屋上に来いって……うそ、相手は学年で一番モテる中西昴くん!? きっと誰かのイタズラに決まってる。きっとそうだわ。
とにかく行って確かめなきゃ。……そんな、本当に昴くんがいる。なに? ずっと好きだったって? でも、あたしは平凡だし、全然可愛くない。
え、そんなことない、マリンちゃんはすごく可愛いよ、君は気づいていないだけですごくモテるしたくさん魅力がある、もっと自分に自信を持ってほしい、お願いだからおれのものになって、だって!?
うそ……どうしよう。信じていいのかな。こんなあたしでも、恋していいのかな。あたし幸せになってもいいのかな。

ーーそれからあたしと昴くんはどうなったかって? あのあと恋のライバルが現れたり、あたしのことを好きだっていう男の子もいて大変だったの。
でもね。どうしよう。言っちゃおっかな。あたしたち結婚することになりました。平凡な女の子がハイスペック男子から溺愛されるなんて。
あー、女に生まれてよかった!