兵頭二十八は毎度の事ながら、100%間違っています。

 砲戦車中隊まで思い至ったのはいいですが、直ぐに一式砲戦車に至るのはプラモの見過ぎです。砲戦車中隊の装備車両はチハがスタンダードであることを知らないのでしょう。思いつきのみで何の根拠もなく戦車第一連隊のエリート戦車中隊長である司馬氏をメカ音痴と罵倒する兵頭氏は本当に元軍人(笑)なのでしょうか?

 それから、浸炭処理は硬さのみを追求するのではなく、通常より低炭素の軟らかい鋼の表面に硬い層を構成することが目的です。兵頭氏は「日本海軍の爆弾」という怪著で浸炭(芯まで浸炭できると思っている!)と焼き入れとの区別がついていないまま徹甲弾を語るという愚行を見せましたが、このようにチハの装甲板は裏から削れば三式より軟らかいのです。

 また、三式の装甲も防弾鋼第三種だと思われますので無ニッケルなどということは無く、チハの装甲より炭素の含有率の高い「硬い鋼鈑」を焼き入れしたものです。防弾鋼の成分は市販の書籍に発表されていますのでもはや新事実ではありません。何の為にニッケルが使われるのか、また無ニッケルの鋼鈑ならただ硬度を落せば耐弾性が上がるのかどうか、司馬遼太郎をいい加減な知識と妄想でクサす前に、少しは勉強して欲しい所です。

 兵頭二十八の言説はこのように、半端な知識に基づく妄想が他者への猛烈な批判とデタラメな結論を導き出す、というのが毎度の事ですので、これをありがたがって受け売りすると、要らぬ大恥を掻く事になります。実に性質の悪い扇動家です。