書き出し一、二行目

 エアコンが壊れたので教室の窓が開け放されていて、制汗剤と、シャンプーと、洗っていない上履きと、手の甲についた唾液の乾いた臭いが攪拌されていた。

・〜ので〜ていて、とあえて破調を用いている。それが逆に余裕を与える
・さりげなくコロナ環境<以前>を付置 風通しは悪い 爽やかな匂いと若い隠微な臭いが混じり合っている
・攪拌という言葉が軽く意表をつく くどい描写はせず一語に収斂した技法 

 中央で端と端を結ばれた二枚のカーテンが空気で膨らんでブラジャーになった。

・ここで隠喩をを早々と挿れる定石 一行目の緊張が柔らかくほぐれ 後述の文体を伸びやか形成する
・最終選考を突破する者はこれだけの計算を(推敲を通じて)達成する
・おまいらは程遠いぜ