モニタなにつかってる?
SDR輝度モニター規定値については上で述べた
次に、HDR輝度モニター規定値を述べる
ITU-R BT.2408-0 (2017年)
HDR環境で映像制作する際の、暫定的な推奨値
調整の目安にする被写体 | 推奨輝度 | PQ値 | HLG値
中間の灰色(18%グレー) | 26 cd/m2 | 38% | 38%
白に近いグレー (83%) | 162 cd/m2 | 56% | 71%
白に近いグレー (90%) | 179 cd/m2 | 57% | 73%
光沢反射しない物体白色 | 203 cd/m2 | 58% | 75%
森林樹木 | 30-65 cd/m2 | 39-47% | 40-55%
アイススケート競技面 | 155 cd/m2 | 55% | 71%
一般的な物体白色 | 140-425 cd/m2 | 54-66% | 69-87% ITU-R BT.2408-0 (2017年) 続き
室内撮影と野外撮影では、設定輝度を変えると場所の違いを見分けやすい
室内で目安にする被写体 | 推奨輝度 | PQ値 | HLG値
中間の灰色(18%グレー) | 17 cd/m2 | 34% | (記述無し)
光沢反射しない物体白色 | 140 cd/m2 | 54% | (記述無し)
野外で目安にする被写体 | 推奨輝度 | PQ値 | HLG値
中間の灰色(18%グレー) | 57 cd/m2 | 45% | (記述無し)
光沢反射しない物体白色 | 425 cd/m2 | 66% | (記述無し) ITU-R BT.2408-0 各値に関する注意点
注意点1.
HLGの%値は、モニター最高輝度を1000cd/m2に設定した場合の値
注意点2.
BT.709(SDR)・PQ・HLGは、波形モニターの%値が同じでも、ピクチャーモニターから実際に出る発光輝度はそれぞれ違う
PQ/HLG映像を作る時、波形モニターがBT.709モードのままだと正しく計れない
PQ映像を作る時、波形モニター設定はPQモードに切替が必要
HLG映像を作る時、波形モニター設定はHLGモードに切替が必要
注意点3.
この値は強制ではない、推奨である
映像の加工調整時、この値を基準に輝度を上げ下げすれば迷いが減る
映像制作担当者に明確な狙いがあるなら、完成品がこの値から外れていてもよい
ただし、音声にオーディオラウドネス規制が出来たように、将来は映像も輝度規制される可能性はあり得る
注意点4.
これらは2017年時点の暫定値である
今後、実験と研究が進むと、これらの値は変更される可能性がある
各自、最新情報を随時調べて頂きたい
映画・テレビの映像に関する標準規格は
SMPTEが取り決め -> ITUが採用 -> 各種民生規格に流用
この流れをたどる事が多い