>>765続き)

キングコング西野は「何をやっても上手くいく」というイメージで見られがちですが、
どっこい、絵本は10年近く売れませんでした。

そして、当たり前のように舞台のチケットは毎日手売りしていました。
毎日毎日、チケットが入った小さな鞄を首からブラ下げて。
#よくイジられました

作品が売れている人が輝いて見えて、劇場にお客さんを集められる人が輝いて見えて、
「どうやれば、自分もあそこに行けるんだろう?」と考え、
試行錯誤を繰り返し、昨日も負けて、今日も負けて。

もう本当に、呆れるぐらい売れなかったんです(笑)

「メディアに出ている」ということでマウントをとってくる芸人やタレントや、そのファンの方々には、
それなりに苛立っていました。
「あんたらが10年以上かけてやっていることは、こちとら最初の1年で済ませて、
今は次の挑戦を始めてんだよ」
と思ったものの、口に出すほどの結果が出ていない。
口に出そうものなら「負け惜しみ」もいいとこです。

空席だらけの舞台を作ってしまった時というのは、本当に「みじめ」です。
開演前も、終演後も、ずっと「みじめ」。

ついて来てくれている後輩には、その思いは隠していましたが……
泣いても笑っても、なんとか話題をそらしても、目の前に広がるのは空席だらけの客席。
さすがに、西野が抱えている「みじめさ」に気がつかないワケがないでしょう。

意気込んで“絵本の直売会(自分で販売ブースを買ってやってたんです)”に出たはいいものの、
見つけてもらえずに終わる日も珍しくありませんでした。