自分はいくつものシステムに組み込まれていて、
そのなかでどう自分自身の個のポテンシャルを生かすかってのは、
目的とタイミングを明確にしておけば、それなりの結果を売ることはできます。

いわゆる「一般システム理論」の有名なテーゼに
「システムはなにかしらを生産する」というものがある。
なにかしらを生産するためにシステムというのは動いている。
総体としてのシステムからその要素である下位のシステムまでこれは一貫している。

個のポテンシャルというのは、その生産に介入する力の強度です。
自分が意識しなくても(つまり個のポテンシャルが小さくても)、
寝てる間でさえもシステムは作動を続けなにかしらを生み出し続けている。
そこに介入する意志をもち力を持つことです。
ニーチェはこれを「権力への意志」と言ったけれども、これは政治権力の事じゃなくて、
こういう個のポテンシャルのことです。

たとえばニーチェは結婚しなかったけれど、好きな人が結婚したい人にまでなったならば、
周到な準備をして結婚しなさいということです。
幸せな結婚をするために仕事を頑張りなさいということです。
これは単純に社会に従属することではなく、
世界というシステムの末端にある「自分と誰か」という下位システムに対する権能をじゅうぶんに発揮して、
そこを幸福にする力を得るということです。
そのために、夏祭りの花火会場でプロポーズしなさいということです。
そこから個のポテンシャルは高まっていくのではないかと思います。

ひとりでシステムをくみ上げるとか、システムの仕事を自分がすべて肩代わりして生産するとか、
そんなことはしなくていい。
システムは下位システムが協働することで存在してるんだから、
そこに積極的に粘り強くあきらめずに関わり続けることです。
この関わり方がとても大切なんじゃないかな。