巨大組織においてパワハラも厭わない現場への締めつけが行われる背景には、厳しい経営環境がある。郵便物流事業は直近の24年3月期の決算で、営業損益が赤字を計上しているが、

「日本郵便の公表資料によると、直営の約2万局のうち3割が過疎地に立地し、このうち1日の平均来客数が30人以下の局は約2700局。多くの郵便局が赤字経営だとみられます。決算資料によると、こうした郵便局網の窓口事業を維持するために必要な人件費などの営業費用は毎年1兆円ほど。このうち約7割は保険と銀行業務の収益で賄っている。つまり、全国の郵便局を守るため、無理をしてでも収益を上げ、コストカットをしなければならない構造があり、結果、現場に過剰なノルマが課され、保険の不正販売問題や過労自殺などが引き起こされたとも言えます」