リアルすぎるストーリーが不評?

 NHKの朝ドラ『舞いあがれ! 』がタイトルとは裏腹に、いつまで経っても舞いあがらない。

 「荒唐無稽な話の展開がネットを中心に批判された『ちむどんどん』よりも視聴率が悪く、制作陣は頭を抱えています」(NHK関係者)

 引っ込み思案のヒロイン・岩倉舞(福原遥)が、試行錯誤を重ねながら、旅客機のパイロットという夢に向かって努力していく―。そんな展開を期待して見ていた視聴者は多いはずだ。

 ところが、舞が航空会社に内定した後、事態は一転する。リーマン・ショックによる不況で就職は延期に。実家の町工場は経営不振に陥り、父親(高橋克典)は心労から突然死。後を継いだ母親(永作博美)を手伝うため、舞はパイロットになる夢を諦めるのだった。作業服に身を包み、従業員をリストラし……。

 「朝からこんな重いストーリーを見たくないというのが、視聴者の正直な反応でしょう。これまで朝ドラが扱ってこなかったリーマン・ショックを題材にした背景には、制作統括を務める熊野律時氏の存在があります。

 熊野氏は'21年に『しかたなかったと言うてはいかんのです』というドラマの制作統括を務めました。このドラマは、太平洋戦争末期に米軍捕虜を生きたまま解剖した実話がベースとなっており、凄惨な内容がNHK内でも物議を醸しました。そんな熊野氏なので、リーマン・ショック後の町工場をリアルに描いて、『おしん』並みのヒロインの苦労話を見せたいのかもしれませんが、空回りしている感も強い」(同前)

 リアルにこだわりすぎると、ドラマとして二度と舞いあがれなくなるかもしれないが、大丈夫か? 
 「週刊現代」2023年1月28日号より

https://news.yahoo.co.jp/articles/12a9706d686cfa696a5e25a547ac0c28a7db2c13