岸田首相は何を言っている…JR東海も否定する「2037年リニア全線開業」が強引に進められているワケ(現代ビジネス) - Yahoo!ニュース
7/6(土) 8:00配信
小林 一哉(ジャーナリスト)

岸田文雄首相は「2037年リニア全線(品川―大阪間)開業」実現をJR東海に求める考えを、静岡県を含めたリニア沿線の8知事に示した。これに対して、丹羽俊介JR東海社長は会見で、「民間企業として経営の自由と投資の自主性を踏まえ、リニア計画を進めている。まずは名古屋までの工事に全力を尽くしたい」などと述べて、岸田首相の「2037年全線開業」には、首を大きく横に振ってしまった。

もともと「2037年開業」を無責任に唱えていたのは、反リニアを貫いた川勝平太前知事であり、JR東海はその火消しに追われた。それにも関わらず、岸田首相が「2037年全線開業」を持ち出した真意はさっぱりわからなかった。

昨年12月、静岡工区の未着工を理由に、JR東海は品川―名古屋間の2027年開業を「2027年以降」としたあと、2027年開業の断念を発表した。その後、川勝知事は「2037年全線開業がJR東海の約束だ」と迫った。

リニア妨害を続けた川勝知事は5月に退場したが、いまだに、静岡工区着工はメドさえ立っていない。そんな状況で、「2037年全線開業」などありえない。ふつうに考えれば、「2037年」に品川―名古屋間の開業ができれば大成功である。いまのところ、品川―名古屋間が開業したあと、名古屋以西の環境影響評価手続きに入る予定である。

そんな中で、リニア問題を取材するフリージャーナリストが「(現在の)各地の工事進捗率は(10年間で)15%程度であり、いまのペースのままならば品川―名古屋間の開業は約60年後になる」などとびっくりする発言が報道されている。…

https://news.yahoo.co.jp/articles/7e74de777db12660534568f591d26642340ffc51