かつて「東の汐留・西の梅田」とも称された巨大貨物駅は、ここ20年ほどの再開発によって、どちらもビル街に姿を変えた。そして今、大阪・梅田貨物駅跡地に完成した「グランフロント大阪」「グラングリーン大阪」が幅広い集客に成功し、東(東京・汐留駅跡地)の「汐留シオサイト」は、区画によっては「枯れった汐留」と言われるほどに、ゴーストタウン化しつつあるという。

【画像20枚】賑わう「うめきた」と、閑散とする「汐留」…どうしてこうなった?

 おなじ鉄道用地の再開発で、なぜ、「大阪・うめきた」と「東京・汐留」で、違いが出てしまったのか?  立地条件の良さだけでは図れない、さまざまな違いを見てみよう。
■「東の汐留・西の梅田」再開発は好対照? 

 JR大阪駅・私鉄各社の梅田駅の北側に広がる大阪・うめきた(梅田の北)エリアは、もともと貨物駅を中心とする、総面積約24ha(東京ドーム5.1個分)もの鉄道用地だった。

 周辺地域を含め、20年以上かけた開発が続き、複合ビル建設の総仕上げといえる「グラングリーン大阪・南館」が、2025年3月21日にオープン。芝生の緑も鮮やかな公園を併設したこのエリアに、3日間で70万人が訪れたという。隣にある「グランフロント大阪」などへの訪問客も軒並み増えたといい、梅田エリア全体の賑わいは、しばらく続きそうだ。
 一方で、日本初の鉄道駅(初代・新橋駅)があった東京・汐留エリアも、約31ha(東京ドーム6.6個分)もあった貨物駅の敷地を、複合施設「汐留シオサイト」に転用した。

 しかし近年、集客の核となるはずの複合施設「カレッタ汐留」で飲食店の撤退が相次ぎ、ほぼ入居テナントがないフロアまであるという。「シオサイト」全体で見ても、電通の本社機能移転、富士通の汐留シティセンター撤退などでオフィスワーカーも減少、街として停滞気味であることは否めない。
 どちらも土地は細長く、見る人が見れば「これはもともと鉄道用地!」と一発で分かる形状だ。おなじように元・鉄道用地として再開発したにもかかわらず、なぜ「大阪・うめきた(梅田の北)」と「東京・汐留(汐留シオサイト)」で、集客の差が生じてしまったのだろうか。

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https://news.yahoo.co.jp/articles/3c0f5935293610946354e77c86ff9c59211c9f6d