ロイエンタールが総督だった頃はうまくいってたよね。
作中でも「ドラスティックな改革を行い、同盟の法律ではできなかった行政上の腐敗を速やかに
排除し、同盟市民から歓迎された」ってあるから。帝国領内でも即位前のラインハルトが同じように
「公平な税制と公平な裁判」によって民衆の支持を得た。

でもこれらは「君主たる上位者が優秀だからできたこと」であって、君主制そのものを絶対視するものでは
ないんだよね。ブラッケやリヒターも帝国の貴族でありながら「民衆の努力によって得たものでない
ものが歓呼に値するだろうか」と言ってる(二人は「開明派」という民主主義寄りの思想の持主)。

新帝国はラインハルト(その死後はヒルダ)の才幹に支えられているのであって、ラインハルト自身も
君主制にこだわってなかった。ヒルダに「立憲体制に移行しておいい。あなたに任せる」と言ってるし、
貴族を自然消滅させて皇帝と民衆を直結させる体制を作りたかったと作中にあった。

となると、貴族たちが相続されず自然消滅し、かつヒルダが死亡して帝国の屋台骨を支える土台が
減っていった時、立憲議会制に向かうか、いっそ科挙を採用するか、どっちかだと推測する。