それはさておき、「受胎告知→自殺」のラインが消えたことにより、処女懐胎における自殺説のラインは
全て消えたことになります。
さて、ついでに「受胎告知→他殺」のラインを検討してみます。これはどうなるでしょうか。
そうなると犯人が必要になります。まず考えられるのが「天使」ですが、彼の行動は事実上「神」の意志
を反映するものになるでしょうから、むしろ当初の計画を完遂すべく手を尽くすはずで、何の力も持た
ないなつみが拒絶したぐらいで、すぐ殺害するとも思えません(なつみの意志は無視する方向で)。
まだ登場していない誰かでしょうか。それも唐突で脈絡がありません。やはりあの「口論」が犯行の動機
であると考えたいところです。いずれにしてもそれが通常の人間である限り、前に述べたのと同じく、
神(及び天使)の妨害が想定されるため、犯行は不可能と思われます。
よって、「受胎告知」のラインも全て消え、あの影男はやはりなつみの「彼氏」だったことになります。

しかしここで問題となるのは、「通常の人間である限り、神の妨害により犯行は不可能」という論理が、
「受胎告知」のみならず「全ての他殺説」に当てはまってしまうことです。このままでは「処女懐胎説」に
おいては、事件そのものが不可能となってしまいます。唯一の抜け道は、「通常の人間である限り」と
いう条件が付いている所です。つまり、「彼氏が通常の人間でなければ」犯行は可能ということです。
だが、この条件を満たすためには、神及び天使に対抗し、それを出し抜く程の力を「彼氏」が備えて
いる必要があります。それほど強大な力を持つ、と言うにはそれをはっきりと示す「サイン」が必要です。

そのような「サイン」が、このFLASHの中にあったでしょうか?