☆ハクシャクノテンシ
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 可愛らしいキャラクタに抑えめの音と色調、童話的なストーリーを組み合わせ、ほろ苦くも温かい余韻に浸らせる。

 作中でも屈指の雰囲気を醸すのが、屋台の場面。
 時間の流し方、心境の変化が自然と、巧みに描かれる。
 山場となる吸血後の間も、ぴりりと痺れる出来だ。

 物語は劇進行で進む。
 人は何かを演じなければ為らないと言う社会の舞台性を引き立てている。
 そして役者だからこそ映える一世一代のお芝居がクライマックスで引き立つ。
 ドラキュラになれない青年はドラキュラとなり、天使になれない少女は天使ではなくなり、演じ手の必要なくなった舞台は幕を閉じる。
 終劇の別れのつんとする余韻と言ったら。