>>410
「ふつう」の人にオススメできない本でした。
環境を486・linux・javaに限定しているのでWindowsで動くバイナリを期待した人は落胆するでしょう。
「x86系CPUを選んだ理由は、現在この地上において最も普及しており、、、」と書いているわりには
Windowsを完全にスルーするのはどうかと思います。まあパーサやアセンブラの関係なんでしょうけど、、、。
各章でコンパイラ・リンカ・CPU・実行の仕組みなど多くを扱っている為かページ数だけ増大し、内容が薄いものになっています。
構文解析には既成のパーサを用いている為、その実装や理論・アルゴリズムは他の書籍に丸投げしているので残念ながらこの本1冊でコンパイラを理解するのは無理でしょう。
また486に関しても同様です。
コンパイラ本にはドラゴンブックや中田育男先生の本、486には「はじめて読む486」など名著が存在するのでしょうがないですが、、、。
逆にいうとそれらの名著をすでにお持ちの方は「この」本は必要ないように思われます。
著者はあくまで「現実的な」コンパイラを目指していますが、その「現実的な」コンパイラを実装したところでそれをどうように活用するの?という疑問が沸いてきました。
速い実行速度が必要ならばC言語で事足りるし、柔軟な言語が必要であればperl・rubyやjavaで十分だと思います。
コンパイラの理論を勉強するのであればこの本の存在意義は皆無です。

「俺は天才だからコンピュータ言語に新たなパラダイムを吹き込む!」といった人は読むべき本です。
最後に良心と思ったのは価格です。これが倍以上の値段だったら発狂しているところでした。