>>690
とりあえず、まずは抽象データ型をクラスを使って実践するアイデアの「オブジェクト指向プログラミング」が
それなりに名の知れた先達のアイデアであり、>>686個人の意見ではないことを言外に了解いただけたことは良かったです

抽象データ型(ユーザー定義のデータ型)のメリットについてはデータ型自体のメリットが当たり前すぎて
それを具体的に意識できないとちょっとピンと来にくいかもしれません
たとえばもし浮動小数点数データ型(float)が言語の組み込みでなかったとしたら
小数同士の演算やそれを入力・表示するためにプログラムを書くときに
どんな不都合が生じるかを考えると逆にメリットをイメージしやすいと思います

そもそもデータ型というのは人間とコンピューターの両方に対しこれから扱おうとするデータが
何を意味するのかについての情報を共有するためのタグのような役割を果たします

浮動小数点数ならその型であるfloatを宣言することで
人間側は変数や関数を通じて浮動小数点数(指数表現付き小数)を扱えることを知ることができ
コンピューター側は変数に代入された、あるいは関数に渡されたビット列データが浮動小数点数として
つまり各ビットが符号、指数部、仮数部のどれを表しているかを知り、ビット列に対し相応しい扱いをすることができるわけです

もしこのデータ型という情報がビット列データや変数、関数に附随させることが出来なかったら
たとえば浮動小数点数同士の加算を行なう関数(仮にadd_float)を呼び出すにも
渡したビット列が果たして本当に浮動小数点数を表すのか
そもそもそのadd_float関数を使うことが適切なのかの判断がしにくくなり
プログラムの正しさを保証・把握しにくくなります

また応用として(こちらの方が即効性のあるメリットですが)変数や関数にもデータ型情報を付加することができれば
同一名の関数や演算子を渡すデータ型ごとに適切に振る舞わせることが可能になり
プログラムの記述をシンプルにすることに役立ちます
a, b が float で、add_float(a,b) の場合、add_int、add_fractionなどというようにデータ型ごとに
いちいち区別せずに単に add(a,b)で済ませることが出来たり
演算子を用いてもっとシンプルに a + b と記述することも可能になります