>>698
抽象というのは、要は余計な要素をそぎ落とすという話なので考え方によっては
どこが余計なのかというのは変わりうるけども、仮に vector の本質を
「縮小・伸長可能な配列」であると考えるならば
 ・ 要素が隣り合う
 ・ 要素アクセスのコストのオーダーは O(1) である
といった性質は本質に付随する性質として受け入れられる。 でも、
 ・ 配列を伸ばしたらイテレータが無効になる
という仕様は
 ・ 配列の大きさを変えるのをメモリの確保しなおしで実現する
 ・ イテレータの実体はポインタ一個である
という実装上の理由 (を想定している) なので、抽象化の漏れだと思う。
イテレータをコンテナ (の参照) とインデックスの組で実装すれば回避可能なわけだし。
でも C++ の標準ライブラリでは C の価値観を以て抽象化よりも実行効率を優先するという選択をした。

繰り返すけど、これは何を本質とみなすかという見方によって変わりうるので、
考え方によって詳細は変わるかもしれないということには注意。
 ・ 対象は何である (ように見せている) か?
 ・ 対象がそう見せようとしている通りに使えるか?
 ・ その上で対象がそう見せかけようとする以外の部分 (実装の都合) を「忘れられる」か?
というのがライブラリが持つ抽象性。
カプセル化で大事なのは情報隠蔽だというのをどっかで読んだことくらいあるでしょ。
余計なことは見せないほうがいい。

んで、私 (>>687) にとっては vector のメモリ管理の都合は (少なくとも必要になるまでは)
忘れていたい余計なことだと思えるということ。