1917. 10 .17
モーン水道海戦

 10月17日、ドイツ軍の西エストニア諸島侵攻によってリガ湾に取り残される危険が
生じたロシア艦隊は、モーン島と本土の間のモーン水道にこもって最後の抵抗を
試みた。戦力は前ド級戦艦2隻と巡洋艦4隻+軽艦艇であった。

 ドイツ艦隊はエーゼル島の南を回ってリガ湾に侵入し、モーン島周辺水域を掃海
して南から水道に突入しようと試みた。ロシア艦隊はこれを迎撃し、ここにモーン
水道海戦が行われた。

 劣勢ながらロシア艦隊は奮戦した。特に砲架を新型に改装した戦艦「スラヴァ」は
長距離射撃を行ってドイツ戦艦隊を容易に近づけなかった。

 しかし、掃海が進むに従ってドイツ戦艦隊は接近し、射撃は正確さを増した。
「スラヴァ」はドイツ戦艦「ケーニヒ」から大口径砲弾複数を受け、主砲弾薬庫他に
浸水して行動不能となった。やむなく「スラヴァ」は雷撃処分され、水道の交通を
妨げるように沈められたが、十分に水道をふさぐことはできなかった。

 その間にロシア艦隊残余は北から水道を抜けて退却し、海戦は終わった。

 10月19日までにリガ湾湾口の諸島嶼はすべてドイツ軍の占領下となった。
これにより、フィンランド湾の防備態勢もまた弱体化した。

 一連の作戦中にドイツ戦艦部隊は触雷によって多少の被害を受けたが、
いずれも短期間で修理は完了した。