日中戦争勃発の経緯

盧溝橋事件では陸軍と政府は不拡大方針であり海軍も表向きはそうだったが、
裏では海軍は一気に全面戦争の準備を開始している。

第三艦隊はただちに上海へ集結し木更津と鹿屋航空隊によって第一連合航空隊を編成し
中国に対する空爆作戦を事実上開始。
それにあわせて米内海相は山本五十六海軍次官とともに政治力を駆使し上海派兵の根回しを水面下で行っている。

こうした海軍を中心とした主戦派の動きは尾崎ら共産党のスパイによって中国側に
情報は伝わっていたのは確実。日本の政情からいって、日本軍の上海は兵は確実だと。

その情報を得た中国政府は直ちに上海へ兵を終結させ
日本軍が上陸してきた場合に備え、徹底した防御陣地の構築を開始した。

それに対して海軍は租界の邦人保護と称して、租界内に防御陣地を構築した。
しかしこの海軍の行為は間違っている。
市街地戦の勃発を誘発させるような海軍による市街地での陣地構築は
まともな軍隊がやるようなことではない。
軍と民間人は絶対に交わってはならない。
でなければ民間人に被害が出るから、こんなこと常識。

そして上海郊外で陣地を構築する中国軍と租界内で陣を張る海軍陸戦隊は
お互いに相手を自分の陣地に引きずり込もうと挑発を開始した。

非常におかしいのは、上海での日本軍の最高司令官であった
第三艦隊の長谷川清はこの間、中国軍側と交渉しよういう意思も
行動もまったく無い点にある。
なんで海軍は交渉で解決しようという行動が一切無いんだ?
長谷川は中国軍に対して、どういう意図で上海周辺に軍を配備したのか
聞けばいいだけの話だが、それをまったくやらないとは常識的に考えられない。
なんとか停戦させようとする意思も行動も一切無い。