緊縮が叫ばれた十年前ならば、防衛予算は増えないという前提は妥当であったが、自民党政権になってからは財政支出は10%も拡大している。

外交面でいえば中国に対する経済ブロックとしてTPPの交渉が進められている。それを安全保障面で担保するのが安倍首相の掲げる積極的平和主義ってやつだ。
現状では装備品の供与やアジア諸国との防衛交流といった程度の話だけど、ゆくゆくは日本の軍事プレゼンスを国外に展開する思惑もあるだろう。そのために空母がいるという議論もあるんじゃないかな。
日本の保守派には覇権国家になりたいという願望は底流にあるし、海自には発足以前のY委員会の頃から度々空母導入の話がでては消えてを繰り返してきた経緯もある。
南西諸島をにらんで着上陸戦をはじめとした自衛隊の展開能力の拡充は、その意図とは別に、限定的な外征能力の獲得にもつながる。

シーレーン防衛といえば冷戦時代であれば、日米間の連絡線の保持を差したが、今日では中国の一路一帯構想へのカウンターを意味するものになりつつある。
PKOなどの国際平和維持活動に参加する機会も増え、有事の対処能力だけでなく、平時のプレゼンスとしての役割も自衛隊に求められている。
左翼が日本積極介入主義を懸念するのはもっともなことだ。

また技術的な面からいってもF-35Bの就役やネットワーク技術の発達によって、実効的な戦力としての艦隊航空戦力をそろえるコストが低まってきた。
そうした諸所の情勢を鑑みれば、必要性の是非はともあれ、日本が空母を保有する可能性は高まってきたといえるんじゃないかな?