>>135
> 短距離ミサイルを緊急避難用だと考えるなら2発のウチ片一方を後ろ向けに積んだらどうだろうね?

この場合の母機からの投射直後のミサイルと気流との関係は、
ミサイルにとっては母機の飛行速度である亜音速の気流の中に後ろ向きに投射されるのでミサイルの対気速度はマイナスの亜音速だということに注意すると、
少なくとも3点の問題があるとわかる、つまり

1.母機から切り離された瞬間にミサイルの翼は完全に失速した状態になる、

2.尖った形状で空気抵抗の小さなミサイル前端でなく、ロケットノズルがあり空気抵抗が大きなミサイル後端が亜音速の高速気流に直接に曝されることになるのでミサイル後端で強い乱流が発生して姿勢が乱される

3.この逆向き投射の場合には気流から見れば=空力的には、ミサイルの最後部の翼がミサイルの最も前の位置に付いていることになり、ミサイルの空力的な安定性(ピッチ、ヨーとも)は大きなマイナスになる

これらの結果として、ブーストフェーズにおいて加速に必要な適正な姿勢を保ち続けさせるのが技術的に難しそうだね、不可能ではないだろうが

そしてこれらの問題点、特にマイナスの対気速度による空力的安定性の問題を解決するには、ミサイルの姿勢制御ソフトは完全に新しいものを開発せねばならない
逆に言えば、今のミサイルを単純に後ろ向きに搭載して発射した場合、発射直後の姿勢制御が全くできないと予想される


いずれにしてもブーストフェーズでは本来の向きでの発射の場合のプラスの亜音速からの加速でなくマイナスの亜音速からの加速になるので
>>136さんが指摘しているように加速後の弾速はかなり減らざるを得ないし、従って射程も大幅に短くなる

尤も、後ろ向き発射が必要となる場合は敵機のほうからミサイルにどんどん近づいて来てくれるので射程はさほど問題ではないかも知れない