超耐熱性のモシブチック合金開発、質量はニッケル合金並みなので代替箇所は限定?!
2016.09.23 10:0
https://www.iru-miru.com/article_detail.php?id=16336
 東北大学大学院工学研究科知能デバイス材料学専攻の吉見亮祐教授が、モリブデン?シリコン?ボロン合金と炭化チタンを溶解鋳造法で複合化することに成功(今年7月新技術説明会にて発表)した。
今回開発されたモリブデン合金はモシブチック銅金と呼ばれており、従来からの強度と靱性のジレンマを克服したとしている。
モシブチック合金の成分はMo-6.8Ti-2Si-1.5B-1.7Cで、モリブデン相のほかにMo5SiB2相、TiC相、Mo2C相を構成相とする複相合金である。

 密度はニッケル基超合金と同じ、高温クリープ強度はCMC(SiC/SiC複合材料)よりも強く、
融点は約1,900℃であるため超硬合金(ニッケル合金はセラミックコーティングして1,200℃程度)とは違って1,400〜1,500℃でも使用可能な優れた耐熱性を有している。
室温での破壊靭性値は超硬合金と同等である。
溶解鋳造法(特許5876973号)によって作製することを特徴としており、従来の超硬合金やセラミックスとは作製方法が異なる。
また、モシブチック合金は、切削、研削加工が可能なほか、放電加工による精密加工も可能でる。

 想定される用途として、超高温部材や超高温金型、切削工具等を挙げているが、発表資料では開発ターゲットとしてジェットエンジンの高圧タービン動翼している。
そこでジェットエンジン部材について関係各社にヒアリングを行った。