ケネス・マクセイ著「崩壊への道」を読みました
ブリュッセルを目指して侵攻を開始したソ連軍を、NATO軍が迎え撃つという作品ですが、
筆者が元NATO指揮官であるためか、小説らしい人間描写を極端にまで排除して、まるで教範のように戦術や編制などにフォーカスを当てており、緊迫感に満ちた内容でした

本作では、ソ連軍の敗退理由の一つとして、海・空軍が陸軍に対して非協力的であったことが挙げられていました
海軍は艦隊も原潜も派遣しなかった上に、空軍はMiGや空挺用のアントノフを必要最小限しか投入せず、
本文の表現を借りれば「陸軍のために死ぬのはまっぴらだと言わんばかりに」と言った様子でそそくさと帰投したそうです
そのため、NATO軍は初めこそ喪失していた航空優勢を徐々に回復していき、ついに戦場の上空はA-10の独擅場と化し、ソ連の戦車・装甲車は次々に鉄屑となったとか

さて、現実のソ連軍は諸兵科連合のプロフェッショナルとして知られていますが、一方で陸海空その他の統合運用についてはどのようなものだったのでしょうか?